遺言・後見

遺言書 ~ 預貯金を動産と記載した遺言書は有効か?

先日相談があった自筆遺言の中身の話です。 祖父が亡くなり、祖母とその子供2名を含めた3名が相続人でした。自筆遺言には、『不動産と動産のすべてを、妻○○に相続させる』と記載されていました。遺言を書かれた祖父は、銀行の預貯金…

遺言書の遺言執行者を指定しておく重要性!

公正証書遺言であれ自筆遺言であれ、法的に有効な遺言書を金融機関に持参すれば、預金の解約手続きができるはずです。しかしながら、金融機関は自筆遺言では遺言執行者を指定していないと預金の解約手続きを受け付けてくれません. 自筆…

遺言書の作成 ~ 法的効力はないが「付言」を記載する重要性

遺言書を数多く見てきましたが、皆さん財産を誰に相続させるかの記載はありますが、付言の書かれた遺言書はほとんど見かけません。 付言の入った遺言書が普及しない理由は、法律関係の専門家が法的要件にのっとった遺言文章の指導に注力…

遺留分の減殺請求

遺言がない場合 相続人間の話し合いで遺産分割を決めることになりますが、その場合の分割割合の目安が法定相続分となります。 遺言がある場合 原則遺言どおりに遺産分割を行いますが、民法は遺産の一定割合の相続を保証する遺留分を規…

遺産分割 ~ 祖父より同居の長男が先に亡くなり、もめる

自宅ほか、複数の不動産を保有している祖父は、長男夫婦・孫 2人と暮らしていました。祖父の相続財産は特に自宅の評価額が高く、生前から祖父は自宅を長男夫婦に相続すると口頭で話しており、長女と次女も了解していました。 ところが…

遺産分割 ~ 先祖代々の不動産の相続でもめないために

地方の田舎で、先祖代々の農地・宅地など複数不動産を相続する場合、今の時代でも親と同居の長男が中心に相続する場合が多いのではと思います。 私の実家でもそうですが、不動産は先祖の預かり物という考えで、長男は不動産をもらうとい…

民事信託 ④ ~「任意後見契約や遺言」と「信託契約」の違い

もしご自身が認知症になったとしたら、その状態が長らく続くと考えられます。その間、ご自分の財産はどうされたいですか、あるいはどうしてほしいですか。今のうちに、ご自身の財産の未来を想像してみてはいかがでしょうか。 遺言を書い…

成年後見制度の問題点 ~ 後見人は親族か第 3者か?

成年後見制度が発足した平成 12年では、後見人(保佐人、補助人)に選任された者の 90%以上が本人の親族でしたが、平成 26年になると、親族が後見人に選任された割合は 35%にとどまり、親族以外の第三者が選任されている割…

公正証書遺言の有効性

公正証書による遺言を作成さえすれば、常に有効かというとそうとも限りません。裁判で有効性を争う場合、遺言者の「遺言能力」と「口授」の要件がポイントです。 法的に言えば、遺言者が、公証人に対して、遺言の内容を口頭で伝え(口授…

自筆遺言の検認

まだ検認を経ていない自筆遺言証書を、相続を証する書面として登記申請書に添付しても、相続による所有権移転の登記申請は、不動産登記法 25条 9号の規定により却下されてしまいます。 上記の例は不動産が相続財産に含まれる例です…