遺言書の作成 ~ 法的効力はないが「付言」を記載する重要性

2016年07月25日

遺言書を数多く見てきましたが、皆さん財産を誰に相続させるかの記載はありますが、付言の書かれた遺言書はほとんど見かけません。

付言の入った遺言書が普及しない理由は、法律関係の専門家が法的要件にのっとった遺言文章の指導に注力するあまり、付言を積極的に進めていないことも一因しているのかもしれません。

付言は法的効力はないのですが、相続人間で偏った財産の分け方を遺言した場合など、なぜそのように分けたかの相続人へのメッセージとなります。そのほかにも、相続人それぞれへの感謝の言葉など入れてもらうことで、相続人は遺言者の愛情や思いやりを感じ、ほのぼのとした気持ちを持つことにつながります。

付言のない遺言書は、法律要件は満たしていたとしても、相続人にとっては、やや味気のない文書です。

当協会でも、公正証書遺言の作成支援のお手伝いをさせていただいていますが、必ず付言を入れてもらうようにしており、その助言もさせていただいています。

遺言者が相続時に子供たちが争わず、その後も仲良く暮らしてくれるようにとの思いから遺言書を作成する事を考えれば、付言の記載は必須ではないでしょうか。