相続手続きを円滑に進めるために押さえておきたいポイント

2021年10月25日

相続手続の期限

相続税の納税は相続開始を知った日の翌日から10カ月以内、相続放棄の選択は原則3カ月以内など、相続手続きには期限が設けられているため、相続が始まると、相続人は急に忙しくなってしまいます。相続人の数や相続財産が多いと、手続きは非常に煩雑になる恐れもあります。今回は、いざというときに備え、基本的な相続手続きの流れを知っておきましょう。

まずは相続人と相続財産を調査し確定する

相続が開始したら、まず下記を確認しましょう。

  1. 相続人の確定                                  「実は前妻と父親との間に子どもがいた」「法定相続人となる人の行方が分からない」など、実際に調べ始めると思わぬことが判明し、手間がかかることがあります。
  2. 相続財産の確定                                  相続財産は、被相続人が生前に伝えてくれていたとしても、改めて調べる必要があります。「ネットで株を買ったことを本人も忘れていた」「実は高額な骨董品を持っていた」など、相続人が把握していない財産が見つかることもあります。
  3. 遺言書の有無の確認                                公正証書遺言であれば、最寄りの公証役場の遺言検索システムで調べることができます。また、法務局での自筆証書遺言の保管制度も始まりましたので法務局へ確認し調べることもできます。

必要な情報がそろったら遺産分割

以上を終えたら、遺産分割協議をします。遺言書があれば、その内容に従い、遺言書がないときは全ての相続人で協議し、合意した内容を『遺産分割協議書』という書面にまとめます。その後、相続税の納税や実際の分割手続きに入ります。不動産を相続するなら相続登記、株式や車などを相続するなら名義変更などを行います。なお、相続放棄の選択期限は相続の開始があったことを知った時から原則3カ月以内ですので、相続放棄の判断は、相続財産が確定した段階で早めにしたほうがよいでしょう。これらの相続手続きは煩雑になりがちです。可能な限り事前に準備しておくと共に専門家への依頼も検討したほうがよいでしょう。

 

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