預金や不動産などわかりやすい、特定しやすい財産のほかに、株式などの有価証券のお手続きを忘れていませんか?株式の相続を忘れてしまうとリスクも生まれます。今回は株式の相続についてお伝えしたいと思います。
株式を相続するには?
①株式を特定する。
まずは、被相続人が保有していた株式を特定する必要があります。被相続人宛の郵便物などに証券会社や信託銀行からの通知が届いていないか確認したり、証券会社等で残高証明書を取得したりすることで把握できます。
②株式の評価額を計算する。
株式は金額に換算して相続財産に加えます。計算方法は、上場会社と非上場会社とで異なります。難しい場合は税理士などの専門家にお任せした方が良いと思います。
③株式をどのように分けるかを決定し、名義変更等を行う。
相続人でどのように分けるかを話し合い、決める必要があります。主な分け方としては下記の3種類あげられます。
・現物分割:株式そのものを分割する
・換価分割:株式をすべて売却して、得たお金を分割する
・代償分割:相続人の一部が全ての株式を取得し、代わりに相当分の現金を他の相続人に渡す
株式の相続を忘れてしまうと…?
株式を含めて相続財産を再計算したときに相続税申告が必要となったり、もともと申告をしていても相続税があがったりする可能性があります。その場合、追加で相続税を納付しなければなりません。相続税の申告期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月と決まっていますので、この期限を過ぎてしまうと延滞税がかかってしまうので注意が必要です。
また、株式を換価分割するときにはいったん売却しますが、譲渡益が出たら税金がかかることもありますので覚えておくと良いでしょう。
スムーズに相続をするためにも、生前からどのような株式があるのかしっかりと把握しておくことをおすすめします。