遺言書があっても、遺言書通りに分けない事もできる!?

2021年05月24日

「自分の相続が起こったときに家族にはもめてほしくない」そう思ったときに一番最初に思いつく対策が遺言書の作成ではないでしょうか?しかし、遺言書を作成したからといって100%相続争いを防止することはできません。

あくまで遺言書とは本人の最後の意思を伝えるものです。被相続人(死亡した方)が自分の死後に自分の財産を誰に対し、どのように分配するかなどを記載します。その意思を実現するために指定した遺言執行者が実際の手続きを行っていきます。しかし遺言書に書かれている内容とは異なる分割をしたいと相続人同士が考えた場合、相続人全員が新たに協議をしその結果話し合いがまとまれば新たに分割協議書を作成すれば必ずしも遺言書の通りに分割する必要はありません。

遺言書を作成する目的は争い防止だけではありません。気になる方は↓のブログも併せてお読み下さい。

遺言書を作成するべき10パターン

遺言書を書いてもめるケース

遺言書が無効となる場合がある

公正証書遺言で作成されている場合は問題ありませんが、自筆で遺言を作成された場合、法律の定める方式で書かれていなかったりすると遺言書の効力はなくなってしまいます。この場合通常の相続と同様分割協議を行う必要があります。

遺言書が有効かどうかで揉める

特に自筆証書遺言の場合、「被相続人が書いたものではない」、「書いた日時の時には判断能力がなくなっていた」、「他の相続人が誑かして書いたものだ」と裁判になる可能性があります。

遺留分を請求される可能性がある

遺言書の内容が極端に偏っている場合(相続人1人にすべての財産等)不利益を被る相続人から遺留分を請求される可能性があります。例え遺言書があっても遺留分の権利は侵害できません。

相続争いを起こさないために

一番大事なのは家族の話合い

遺言書のあるないに関わらず生前から家族同士で相続についてコミュニケーションをとることが一番の争い防止になります。相続争いのほとんどの原因が家族間のコミュニケーション不足です。中々切り出しにくい話題ではありますがぜひご家族で話し合いをしてみてください。

遺留分対策は必須

遺留分を侵害する恐れのあるような遺言書を作成する際は、遺留分の対策も同時に行ってください。遺留分請求された場合に支払えるだけの現金を準備する等専門家に確認しながら進めた方がよいです。

自筆ではなく公正証書で作成を

公正証書であれば遺言の真正性が問題となることがありません。そのため、費用は掛かりますが公正証書での作成をお勧めします。

まとめ

このように、遺言書を作成しただけでは相続争いは防げません。家族で争いを起こさない為にも日頃からコミュニケーションをとったり、総合的に判断できる専門家に協力をもらいながら対策を進めることが必要です。