遺留分対策としての生命保険活用 ~ 死亡保険受取人を誰に?

2017年05月17日

先日、相続人予定者がこども3名、相続財産約 6,000万ある Aさんの生前相談を受けました。

長男夫婦とは同居しており、嫁にも世話になっているので相続財産は長男にすべてという遺言を書きたいとのこと。しかし、相続後遺留分でもめることが心配なので、長女と次男には遺留分対策として、Aさん被保険者の 1,000万の終身保険を、2件契約(死亡受取人を長女で1契約、次男で 1契約)を考えているとの事でありました。

さて、これでよいでしょうか? 結論をいえば、間違っています。

遺留分の金額はたしかに、長女と次男それぞれ 6分の 1の 1,000万ずつとなります。問題は、遺産分割不要財産である保険金で遺留分金額を準備したことです。長女次男は、保険金を受け取っても保険金以外の相続財産の 6分の 1を遺留分として請求できる権利があるからです。

もし、保険を活用して遺留分対策をするなら、長男受取で 2,000万の終身保険に加入する必要があります。長男が受取人なら、相続財産を全部もらった代わりに、1,000万づつの遺留分相当の現金を長女と次女に渡すことができるからです。