せっかく自分で遺言書を作っても、中には実際の手続きで使えないケースもあります。
遺言書が手続きに使えない場合、結局、相続人全員で遺産分割協議書に署名・押印することになります。
不動産の特定ができない場合
自筆で遺言書を作成する場合、不動産の情報はなるべく細かく、正確に記載する必要があります。
「マンション」や「土地」という記載だけでは、法務局での名義変更の際、不動産の特定ができないと判断されるケースもあります。
実際の相談事例でも、複数ある不動産のうち、一筆のみ特定が困難で、遺言書での手続きができなかったことがありました。
財産に不動産がある場合、できれば登記されている所在、地番、家屋番号など、正確に記載することをお勧めします。
夫婦連名の遺言書
ご夫婦が一緒に書いた遺言書は有効でしょうか?
民法では「二人以上の者が同一の証書ですることができない」とあり、共同遺言は禁止されています。
実際の相談事例でも、夫婦連名の遺言をご持参いただいたケースがありましたが、たとえ夫婦でも遺言書は単独で作成する必要があります。
日付の特定
遺言書には、遺言を書いた日付を記載する必要があります。
「〇年〇月吉日」といった表記は無効となる可能性がありますので、注意しましょう。
逆に、「〇月末日」、「〇歳の誕生日」など、日付が特定される場合は有効と判断される可能性があります。
誰にでもわかるような、明確な日付を記載するようにしましょう。