自筆遺言書が使えない作成内容の事例

2019年12月16日

せっかく自分で遺言書を作っても、中には実際の手続きで使えないケースもあります。

遺言書が手続きに使えない場合、結局、相続人全員で遺産分割協議書に署名・押印することになります。

 

不動産の特定ができない場合

自筆で遺言書を作成する場合、不動産の情報はなるべく細かく、正確に記載する必要があります。

「マンション」や「土地」という記載だけでは、法務局での名義変更の際、不動産の特定ができないと判断されるケースもあります。

実際の相談事例でも、複数ある不動産のうち、一筆のみ特定が困難で、遺言書での手続きができなかったことがありました。

財産に不動産がある場合、できれば登記されている所在、地番、家屋番号など、正確に記載することをお勧めします。

 

夫婦連名の遺言書

ご夫婦が一緒に書いた遺言書は有効でしょうか?

民法では「二人以上の者が同一の証書ですることができない」とあり、共同遺言は禁止されています。

実際の相談事例でも、夫婦連名の遺言をご持参いただいたケースがありましたが、たとえ夫婦でも遺言書は単独で作成する必要があります。

 

日付の特定

遺言書には、遺言を書いた日付を記載する必要があります。

「〇年〇月吉日」といった表記は無効となる可能性がありますので、注意しましょう。

逆に、「〇月末日」、「〇歳の誕生日」など、日付が特定される場合は有効と判断される可能性があります。

誰にでもわかるような、明確な日付を記載するようにしましょう。