相続後、金融機関での解約手続が終了すると、多額の預貯金が相続人の通帳に振り込まれます。
最近多いのは、本人が考える間もなく、金融機関が非課税目的や納税資金目的で、終身保険などの提案をしにくることです。中には解約金が振り込まれた日の夜に、渉外行員が相続人のご自宅に、挨拶を兼ね営業活動に来たりする場合もあります。そしてお客さんは、よくわからないまま金融機関の職員のいうことだからと、必要以上の終身保険に加入してしまったりします。加入後に保険証書を見せていただき確認すると、すでに十分終身保険は入っていたのにという場合もありました。
さて、わたしどもが相談を受け、よくアドバイスする点は、将来のインフレリスクです。当協会にて相続手続きをして、保険金明細など見る機会も多いですが、30年、40年も前にかけた保険は、せいぜい数百万までの保険金の場合が多いのではと思います。中には数十万の死亡保険金もあります。数十万の保険金ではお葬式代も出ません。
なぜ、そうなってしまったかというと、インフレ(物価上昇)にやられたからと思われます。契約時には十分な保険金をかけたつもりが、インフレで相続時には、実際の価値が大きく減少してしまったということです。また、保険は固定金利商品という事も一因しています。(この金利のことを保険では予定利率という)
いずれにしても、保険商品の中にも一部に変動金利の商品があったり、他にもインフレ対策となる商品もあるので、通常の商品だけにかたよらず、商品構成を検討されると将来的により安心ではないでしょうか。