死亡後の相続対策 ① ~ 配偶者の税額軽減を使うか、使わないか?

2015年03月01日

死んでしまってからの相続対策について、これから何回かに分けて書いていきたいと思います。

よく、相続税申告で相続税額を減らすために使われるのが、配偶者の税額軽減です。配偶者が相続財産の半分まで、もしくは 1億 6千万まで相続する場合、配偶者の相続税は無税となる制度です。この制度をフルに使うことで、先に亡くなられた父の相続時に、母の税金を少なくすることができます。

つまり、夫婦の一方が亡くなられた場合に、この制度を使うことで相続税負担を少なくできるのですが、残った方の 2次相続を考えると必ずしもそうではありません。父の相続時に、母を飛び越して子供に相続しておいた方が、1次 2次の相続税合計は安くなる場合が多いからです。

一般的に、多くの相続税申告で 1次相続時に配偶者の税額軽減をフルに使い、1次の税金を少なくして申告しています。2次相続を検討した結果、そのような結論を出したのならともかく、2次相続の検討もしていないケースも多いように思います。

夫婦間の年齢差にもよりますが、近いうちに 2次相続は必ず発生します。父の 1次相続時に、母固有の財産も踏まえた、2次相続時の相続税シミュレーションをして、父の相続時の遺産分割方法を検討されるのがよりよいでしょう。税務申告を依頼する税理士を選ぶ場合、このような観点からも検討していく必要があるでしょう。