株式や外貨などの資産は、預貯金とは違い日々残高が変動します。最近、世界の資源株に投資を行うファンド(新興国通貨などで実質的な運用を行う)を相続した相続人(ご長男)の方から下記のような相談を受けました。
相続人である兄弟姉妹間で、預貯金や投資信託を相続時の残高にて合計し、分割協議したとのことで、ファンド関係の証券会社は長男が相続し、残りの預貯金は、次男や長女が相続するというものでした。
さて、遺産分割協議書を作り、証券会社で長男が手続きを行い、いざ解約しようとしたら、相続時の残高より解約予定の投資信託の残高が大きく下がっていました。このところの中国リスクの影響を受け、大きく残高が目減りしたものと思われます。
預貯金とは違い、株式や外貨建て商品などは日々変動しているので、そのリスクを考えて分割しないといけません。預貯金の感覚で、相続時の残高をもとにして分割したりすると、分割方法によっては相続人の間で、大きな損得が発生してしまう場合があります。
例えば、投資信託であれば口数ごとに分割したり、株であれば株数ごとに分割する方法もあります。あるいは、変動リスクを踏まえ、証券商品を相続する人は少し多めにもらうという分け方をする場合もあります。
いづれにしても、今回のケースではすでに遺産分割協議書に調印し手続きを進めていたので、変更はむずかしいことを説明しました。(ほかの相続人に事情を説明し、遺産分割協議をやりなおしてもらえる場合は話は別ですが)