相続でもめる原因で多いのは、家督相続を主張する長男と法定相続分を主張する次男(長女)のケースです。昭和 22年までは、法律で家督相続が決められており、長男がすべての財産を相続していました。
戦後、欧米の法律が持ち込まれ、相続では兄弟姉妹平等の法定相続分となったわけです。しかし、実際には単純に法律で割り切れるわけではありません。すなわち、
- 長男夫婦は両親と同居し、その老後の面倒も見て、両親が亡くなった後は法事やお墓のお守りもしていかないといけないから、多くもらって当然という考え
- 一方、実家の外に住む次男(長女)は、民法で決まっている、兄弟姉妹平等の法定相続分を主張
一般的に田舎の方が家督相続の考えが残っています。当協会での過去の実例を見てみても、名古屋市内より名古屋市郊外の田や畑などの農地がある地域は、まだ家督相続の慣習が残っており、長男が多めに財産を相続する場合が多いように思います
いづれにしても、上記のようなもめごととならないように、子供たちが争わないように遺言するなど、生前対策をしておくことが必要です。過去の例では、親戚の長老が出てきて、〇〇家の相続の歴史を相続人の兄弟姉妹に話す中で、分割協議がまとまり、期限内に相続税申告ができたケースもありました。