遺産分割②~遺産分割の4つの方法

2018年04月11日

相続手続きの山場となるのが、遺産分割協議です。

相続人がお一人の場合はそもそも遺産分割協議が必要ありませんが、相続人が複数の場合、話し合いが必要となります。

 

 

 

 

 

 

 

相続相談を受けていると、最初の面談からすでに分割方法が決まっているケースもあれば、財産目録ができて、あとは分け方を決めるだけの状態から数か月、話がまとまらないケースもあります。 

 

 

 

 

さらに、この遺産分割協議で揉めてしまうと、その先何年も相続ができないといったケースも見受けられます。

とても大事な遺産分割協議、では具体的にどのような分割方法があるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀行の預金であれば、単純に法定相続分で分けることもできますが、相続財産の大半が不動産など分割しにくいものの場合、公平に分けるために4つの方法があります。

 

 

 

 

<4つの分割方法>

  • 現物分割

相続財産そのものを、それぞれの相続人がもらうという方法です。

例えば、自宅は妻、預金は長女、株式は長男へといった具合に、個々の財産の受取人を指定して分割する方法です。

ただし、この方法で法定相続分通りに分割を行うのは困難な場合が多いでしょう。

 

【メリット】分割、手続きが簡単。相続財産をそのまま維持できる。

【デメリット】公平な分割が困難な場合もある。特に、法定相続分で分けるのは難しい。

 

 

 

 

  • 換価分割

不動産など分割しにくいものは売却して金銭に換え、分割する方法です。

たとえば、相続人が子供2人で、相続財産が自宅のみの場合、自宅を3000万円で売却して、相続人それぞれが1500万円ずつ受け取るといった方法です。

ただし、相続人が自宅にそのまま住み続ける場合などでは、この方法は使えません。

 

【メリット】公平な分割が可能。

【デメリット】相続財産現物が残らない。換価の手間がかかる。所得税など相続税以外の税金が発生する可能性がある。

 

 

 

 

  • 代償分割

不動産など法定相続分を超える財産を相続した人が、その代わりとして、他の相続人に対して金銭を支払う方法です。

たとえば、相続人が子供2人で、相続財産が自宅のみ(死亡日の評価額:3000万円)の場合、長男が自宅を相続する代わりに、二男に1500万円を振り込むといった方法です。

 

 

代償金については、相続人自身の財産から支払うケースもあるため、支払いが可能である前提が必要です。

また、代償金が支払われないなどのリスクがあります。

預金などの手続きも、相続人の一人が代表して一旦受け取り、代償金を支払う方法を取れば、手続きが比較的簡単に行えます。

 

【メリット】手続きが容易。公平な分割が可能。

【デメリット】代償金を相続人の財産から支払う可能性がある。代償金が支払われない可能がある。

 

余談ですが、実際に、他の相続人から「代償金が支払われない」といった電話を受けたことがあります。

あくまでも、相続した人から代償金が支払われるという信義則を前提としています。

 

 

 

 

  • 共有分割

不動産など、複数の相続人で持分を決め、共有する方法です。

ただし、将来売却する場合や、その後の相続などで複雑化するケースがあるため、弊社ではおすすめしていません。

 

【メリット】公平な分割が可能。相続財産現物を残せる。

【デメリット】処分性の自由度が低い。その後の相続などで共有関係が複雑になるリスクがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

このように、どの分割方法にもメリット、デメリットがあります。

それぞれの相続財産によってもベストな分割方法が異なるため、慎重に協議を行う必要があります。

 

 

また、「公平な相続にしたい」という考えと、相談者の方の考える分割方法が合っていないケースもあります。

実際の相続では、分割方法を組み合わせて相続する場合もあります。

 

 

特に、相続税申告が必要な場合や、二次相続対策をお考えの場合、ベストな分割方法を選びたいものです。

お困りの場合は、一度弊社無料相談にお越しください。