自分で書く遺言書を自筆証書遺言といいます。お手軽に作成できる一方で書式が間違っており使えなかったり、どこにしまっているかわからず見つからなかったり、分割協議の後に遺言書が見つかる、遺言書の有効性について裁判に発展するなどもめごとの原因になったりもします。また、家庭裁判所の検認の手続きで使える状態になるまで時間が掛かったりします。 少なくとも①作成したこと②どこに保管されているかを信頼できる人に伝えておく必要があります。
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公正証書遺言とは
自筆証書遺言とは違い、公証役場の公証人が関与して、公正証書の形で残す遺言書のことです。遺言者は公証人に遺言内容を伝え、公証人は遺言者から聞いた内容を公正証書で残す遺言の形にして、最終的に公正証書遺言を作成します。自分一人で書く自筆証書遺言に比べると、公証人という法律の専門家のチェックが入り、共同して遺言書を残せるため、遺言内容の確実性があり、公証役場にも遺言書が保管されるため遺言が無効になるリスクや紛失するリスクが少ないのが大きな特徴です。
そのため、遺言書を残す形として、一番確実に残せるとされている遺言書の形式です。
公正証書遺言のメリット
公正証書遺言の作成の費用は、財産の額や内容によりますが、数十万円で作成可能です。公正証書遺言は公証役場でも保管されており検索してもらうことができます。また、公正証書遺言は公証人によって作成されるため、実際に遺言書を使用する際の手続きが自筆証書遺言に比べて少なくて済みます。死後に家族に負担を掛けない為にも自筆証書遺言を書かれている方は公正証書遺言への書き換えをお勧めいたします。
公正証書遺言の必要性チェックリスト
- 子供がいないので、配偶者に全財産を相続させたい
- 家業・事業を行っている
- 2回以上結婚している
- すでに配偶者と死別している
- 配偶者の生活安定のため、多く相続させたい
- 特にお世話になった家族、かわいい孫、気がかりな子に贈りたい
- 自宅や賃貸アパート等の不動産を持っている
- 相続人が2人以上いる
- 親と同居している子と、別居している子がいる
- 子によって経済状況に差がある
これらに複数該当する場合は遺言書の作成を考えてみてください。
公正証書遺言は書いておいた方がいい?
先ほどのチェックリストで複数チェックがある方は作成しておいた方がよいです。今後遺言書の内容が変わる可能性がある、取り急ぎで作成するという場合は自筆証書遺言で構いません。しかし、最終的な遺言書は公正証書遺言で残しておくのがよいと思います。
逆に遺言書を書かなくても大丈夫な人というのは、子供が1人の人。もしくは財産がすべて現金で法定相続分での分割を希望している人となります。特にお子さんのいない夫婦の場合、相続人は残された配偶者と親・兄弟ということになります。家や土地が財産に占める割合が多いと。換金して遺産分割をしなければいけないケースもあります。ご夫婦それぞれが公正証書で遺言を作成し、”全財産を夫(妻)○○に相続させる”と書いておくと残されたご家族が安心できます。
子供さんがおられない場合は、遺言書の作成を強くお勧めいたします。