相続税対策で贈与しすぎて、老後の生活は大丈夫?

2016年08月03日

税制改正で相続税の基礎控除が下がったことや、教育資金贈与、住宅資金贈与、結婚子育て資金贈与などの非課税贈与の情報も増えたこともあり、相続税対策として贈与が注目されるようになっています。

ただ、相続税は下がるが、老後の生活は大丈夫なの? という、首をかしげたくなるような贈与相談もあったりします。

たとえば、6,000万の金融資産があっても、孫 3名に 1,500万 × 3名 = 4,500万。教育資金贈与をしたとすると残るのは、1,500万の金融資産となってしまいます。

公的年金収入が多ければよいですが、少ないと手持ちの預貯金を取り崩してくことになるので、取り崩す年数にもよりますが、人によっては寂しい老後になるかもしれません。

相続税対策を考えることは必要ですが、優先順位が違っているのではと思ったりすることがあります。贈与ありきでなく、まず自身の老後の生活資金設計をきちんと考えたうえで、余裕資金を贈与に回していくということが必要ではと思います。