相続手続きの一番初めに行うことは何でしょうか?
銀行の解約、不動産の名義変更など、やることは山ほどありますが、まず最初に行うのは、「相続人調査」です。
「調査などしなくても、相続人は分かっています」と思われるかもしれませんが、実際に手続きを行っていると思わぬ相続人が増える場合があります。
認知した子がいる、養子縁組していた・・・などなど、決して珍しい話ではありません。
相続人を確定するには、被相続人の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍を集める必要があります。
戸籍は、昭和、平成と2回改製を行っているため、原戸籍(改製前の戸籍)も必要となってきます。
現在の戸籍は縦長で、横書きのものですが、昔の戸籍は横長で縦書き(しかも手書き)のものです。手書きなので、書き手によってはかなり読みにくく、数字も十を「拾」、一を「壱」といった書き方をしています。
被相続人の出生~死亡までの一連の戸籍は、銀行の解約や不動産の名義変更でも必要となってくるため、最低でも一部ずつは用意する必要があります。
【出生から死亡までの具体的な戸籍の取り方】
具体的な戸籍取得方法について、説明します。
①まず初めに、亡くなった方の最後の本籍地で死亡戸籍(死亡の日付が入ったもの)を取得します。
死亡の日付は、亡くなってもすぐに入るわけではなく、役所に死亡届を出してから、一週間ほどかかります(役所によって違います)。
②その戸籍に記載された情報をもとに、従前戸籍を取得します。
戸籍がかわる理由は、婚姻、転籍、改製などです。
亡くなった方の戸籍を次々と遡っていき、出生の事実が確認できる戸籍まで取得していきます。
同一市区町村であれば、まとめて取得することもできます。各市区町村のホームページで、郵送による取得方法も確認できます。
また、各相続人に関しては、現在の戸籍が必要となってきます。
すでに亡くなっている相続人も死亡の事実が確認できる戸籍が必要です。
配偶者や子であれば、亡くなった方との関係を示す戸籍はすぐに取得できると思います。
しかし、相続人が第二順位(親などの尊属)や第三順位(きょうだい)になると、前順位が全員亡くなっていることを戸籍で確認する必要があるため、膨大な量の戸籍になることがあります。
つまり、第三順位のきょうだいを相続人として確定するには、第一順位の「子」がいないこと、第二順位の「親(あるいはその親)」がすでに亡くなっていることなどを戸籍で証明して、はじめて第三順位に相続権があることがわかるという訳です。
また、戸籍はいっぺんに取得することができないため、請求したものが送られてくると、また一つ前の戸籍を請求するといった具合に、手繰り寄せるには時間がかかります。