相続の基本 遺産分けの割合はどう決められるの?

2019年08月19日

相続人が何人かいる場合、誰がどのような割合で財産を取得するのかという【相続分】を決めなければなりません。相続分は被相続人が遺言で指定することができますが、指定がなければ、相続人の話し合いで決めることになります。その時に基準となるのが、民法の定める相続分で、これを【法定相続分】といいます。また、被相続人が遺言で決める相続分は【指定相続分】といい、このように相続分の決め方は2つあるので、紹介したいと思います。

①法定相続分:民法の定める相続分です。法定相続分は、相続人の組み合わせによって異なります。

・配偶者と子が相続人の場合:配偶者が1/2、残りの1/2を子が頭数で均等に分ける(均分)。

・配偶者と父母・祖父母などの直系尊属が相続人の場合:配偶者が2/3、残りの1/3を直系尊属の頭数で均分。

・配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合:配偶者が3/4、残りの1/4を兄弟姉妹が頭数で均分。

※兄弟姉妹の中に全血兄弟(父母の双方が同じきょうだい)と半血兄弟(父母の一方のみが同じきょうだい)がいる時、半血兄弟の相続分は全血兄弟の1/2。

・配偶者のみ、子のみ、直系尊属のみ、兄弟姉妹のみが相続人の場合:配偶者のみなら1人で全部、 他の血族の場合は1人で、あるいは頭数で均分。ただし、上記※の決まりが適用。

 

②指定相続分:被相続人が自分の意思で決めることができ、必ず遺言の形式によることが必要です。ここで重要なのは、法定相続分より指定相続分が優先されるということです。自分の財産をどう処分するかは、原則として本人の自由です。相続財産についても同様に、被相続人の意思が尊重されます。

※自由といっても無制限に通用するわけではなありません。遺言があっても法定相続人には【遺留分】という最低限保障された遺産の取り分があります。

 

相続分の決め方には2通りあります。どちらの方法で相続分を決めるのかは遺言書の有無が大きく関わってきます。遺言書の有無は確かめておきましょう。ただし、遺言書に封印がある時、遺言書をむやみに開封してはいけません。開封してしまったからといって無効にはなりませんが、注意してください。