不動産をお持ちの方が亡くなった場合、通常相続登記を行い名義を相続人の方の名義に変更することになります。
不動産には土地と建物がありますが、土地で登記簿がない場合というのはあまり見ることはありません。しかし、建物の場合であれば実際に建物が建っていても登記簿が存在しないという場合も珍しくありません。
登記簿がなければ相続登記で名義変更を行うことができません。登記簿のない建物の場合、相続が発生したら次のような手続きをすることになります。
①未登記の建物について、建物の登記簿を作る表題登記を申請する。(登記簿が出来上がります)
②登記簿が出来上がった建物について、相続人の名義で所有権の保存登記を申請する。
この手続きをすることによって、相続人の方名義の登記簿が出来上がり相続人の方の登記識別情報通知(昔でいう権利証)が発行されます。
しかし、これから売却する予定の建物や建物に担保を設定したいような場合であれば上記のような手続きをする必要がありますが、今後建物を取り壊すような場合には通常このような手続きを省略することが多いです。
建物を取り壊してしまう予定の場合には、役所の固定資産税の台帳の名義のみを変更し、固定資産税の通知書が相続人宛に行くようにします。取り壊し予定の建物で、上記の①②の手続きをすることは、費用もかかるため省略することが実務上では多いです。