遺産の分割方法

2019年12月02日

みなさま、遺産分割にはいくつか方法があることをご存じですか?

遺産分割では、自宅、農地、事業資産といった分割しにくい財産を、いかに公平に分けるかがポイントになります。分割の方法はおもに4つあります。これらを適宜に組み合わせ、相続分に合うように財産を分配することが公平な遺産分けのための分割テクニックといえるでしょう。主な4つの分割方法は次の表の通りです。

分割のおもな4つの方法

1.現物分割 2.換価分割 3.代償分割 4.共有分割
方法 個々の財産をそのまま各相続人に分配する 財産を売却などし、金銭に換えて各相続人に分配する 一部の相続人に財産を与え、ほかの相続人に対して金銭を支払う債務を負わせる 数人の相続人で、持分を定めて共有する
長所 ①わかりやすい、②財産の現物を残せる ①公平な分配が可能になる ①公平な分配が可能になる、②事業用資産や農地などを細分化せず残すことができる ①公平な分配が可能になる、②財産の現物を残すことができる
短所 ①相続分どおりに分配するのは難しい ①売却の手間と費用がかかる、②譲渡益に対して所得税と住民税が課税される、③財産の現物が残らない ①債務を負担する相続人に、その能力がないと実現できない、②債務を負う相続人が債務を履行しないリスクがある ①利用や処分の自由度が低い、②共有者に次の相続が起こると、権利関係がさらに複雑になる

この中でも、とくに共有分割は後々のことも考えて慎重に選択しなければなりません。共同で使用する不動産の分割には便利ですが、利用や処分する際に持分がある人全員の承諾が必要であったり、自宅などの不動産であった場合には次の相続が起きたとき、ほとんど接点がない方が相続人となってしまい、権利関係が複雑になってしまったりすることもあります。権利がどのように動いていくのか、先のことを考えるのは難しいかもしれません。そういった場合には専門家に一度ご相談ください。

借金などの債務はどう分割するのか

遺産の分割は、法定または指定の相続分に則して行うのが原則ですが、全員の合意があれば、相続分と異なる分割をしてもかまいません。これは債務についても同様です。債務は相続人が相続分に応じて負担するべきもので、法的には分割の対象になりません。ですが、実務上は、誰がどう債務を負担するのかしっかりと決めておく必要があります。しかし、注意しておかなければならない点として、これは相続人の間での取り決めにすぎず、債権者には通用しないということがありますので覚えておきましょう。