現行制度では、遺産分割が終了するまでの間は、相続人単独では預貯金債権の払い戻しができませんでした。今回の民法改正により、一定限度までの払い戻しが受けられるようになりました。(2019年7月から施行)葬儀費用の支払い、生活費、相続債務の返済などの資金需要に対応できるようにという趣旨です。
具体的に各相続人が払い戻しを受けられる金額は下記の算式で計算します。
各相続人が払い戻しを受けられる金額=相続開始時の預金額(口座ごと)×3分の1×払い戻しを受ける相続人の法定相続分 (なお、相続人1名当たり各金融機関ごとの払い戻し限度額150万です)
計算例
相続人が子ども2名の場合、そのうちの1人の相続人が払い戻しを受けることができる金額
A銀行 相続時の預金額 普通1500万 1500万×3分の1×法定相続分2分の1= 250万→限度の150万
B銀行 相続時の預金額 普通 600万 600万×3分の1×法定相続分2分の1= 100万
◆銀行への提出書類
仮払に必要な書類は、法律には定められていません。相続人を証明するための戸籍等の手続き書類が必要と思われます
ので、各銀行にご確認ください。