相続税申告が必要かどうか判断するには
相続をする際に気になるのが、相続税がかかるかどうかといった問題です。
相続税申告が必要かどうかは、相続財産の総額によって決まります。
平成27年の改正で、基礎控除額は3,000万円+600万円×(法定相続人数)となりました。
例えば、父が亡くなり、相続人が母、子2人の計3人の場合、基礎控除額は4,800万円(3,000万円+600万円×3)となります。
相続財産の総額がこの基礎控除額を超えた場合のみ、相続税申告が必要となります。
相続財産の評価基準日
相続財産は、被相続人が亡くなった日を基準として評価します。
銀行等の預金であれば、亡くなった日の預金残高(定期がある場合は、経過利息も含む)で評価し、有価証券は、亡くなった日を基準として相続税申告用の評価方法があります。
不動産は、亡くなった年の路線価や固定資産税の評価額などを用いて算定します。
そのため、亡くなった後に預金をおろしていても、死亡日時点で基礎控除額を超えていれば相続税申告をする必要があります。
相続税を減らす方法①~不動産の特例~
一般的な家庭の場合、相続財産の中で不動産の占める割合が多いというケースがよくあります。
相続税申告の不動産評価は、評価額を減らす方法がいくつかあり、よく使われるのが「小規模宅地の特例」です。
これを適用するにはいくつか基準がありますが、自宅を配偶者が相続する場合などに、敷地の評価が80%軽減するというものです。
ただし、80%軽減して相続財産の総額が基礎控除以下になっても、納税がなくなるだけで相続税申告自体は必要です。
また、申告期限内(10か月以内)に申告しないと特例が使えなくなるなどの注意点があります。
相続税を減らす方法②~配偶者控除~
対策ではありませんが、配偶者にはもともと配偶者控除があります。
そのため、分割方法を決める際に、法定相続分ではなく、配偶者が多く相続すれば、相続税を減らすことができます。
ただし、二次相続では配偶者控除が使えないため、多大な相続税を納めることになってしまいます。
二次相続シミュレーションを行うなど、二次相続を視野に入れた分割方法を検討しましょう。
相続税を減らす方法③~法定相続人を増やす~
前述のように、相続税申告の基礎控除額は法定相続人の人数によって変わってきます。
そのため、法定相続人が増えれば、当然基礎控除額も高くなります。
例えば、孫と養子縁組をする、あるいは息子の嫁と養子縁組をするといった方法で法定相続人を増やすことができます。
また、基礎控除額だけでなく、生命保険金の控除額(500万円×法定相続人数)も上がるため、節税対策としては有効な方法です。
ただし、実子がいる場合、人数に制限がありますので、注意しましょう。
このように、同じ財産をもっている人でも、特例を使ったり、生前対策をすることで、相続税がかかる人とかからない人がいます。
生前対策、あるいは分割方法を工夫することで相続税を減らすことはできますが、安易な方法をとると、二次相続で多大な相続税が必要となったり、相続人間でもめる原因になったりします。
実際の業務では、様々な特例や対策を組み合わせた提案を行っています。
また、相続手続きのご依頼をいただいた方には、完了後に次の相続対策や、遺言作成などのご相談をあわせて行っております。
ご興味がある方は一度、無料の相続相談にお越しください。