相続された財産について、お客さんから相談を受けるケースがあります。多くの場合、銀行・証券会社や保険会社からの提案をされ、判断がつかずに相談されます。
例えば、金融機関から投資信託を提案されるケース。具体的には、毎月分配型の新興国債券や海外株式で運用する投資信託。売り文句は、毎月年金代わりに利息が入りますという言葉で、提案されるようです。この低金利の時代に、こんな良い商品はないと思われるのかどうかわかりませんが、よく売れているとのことです。
金融機関の商品は、資産形成するうえで決して悪い商品ではないのですが、資産を守るという視点がまったく考慮されていないのが気にかかります。現にこれまで相談された顧客の中にも、下記のような方がいました。
新興国債券の投資信託で、毎月配当金が出るということで相続した金融資産の多くを投資。順調に年数 %の分配を毎月受け取っていたが、時価(基準価額)が購入時より 3割近くも下がり、もらった分配金と比較しても大きく元本が割れていたケース。現状の内容を説明してあげたところ、元本割れるとは聞いていないと怒り出されましたが。
投資をするうえで欧米の格言に、「卵をひとつのかごに盛るな!」という言葉があります。単品商品に多額に投資すると、こけたらすべての卵が割れてしまうよという警鐘であり、分散投資の重要性を示しています。
定期預金は元本割れしないからと、すべてを預金のかごに盛っている方も、今後はリスク(インフレリスク)が大きくなるかもしれません。次回インフレリスクに触れたいと思います。