贈与をしなかったほうがよかった事例

2016年10月16日

最近、贈与対策を金融機関などに進められたとの相談を受ける機会が増えてきました。確かに、贈与は財産を子へ 1代飛ばし、孫へ 2代飛ばしといわれるように、使い方によっては税対策として有効です。

ただ中には、下記のように贈与しなかったほうがよかったという場合もありますので、周囲に踊らされることなく専門家によく相談し進めてください。

  1. 老後資金を考えたら贈与をするのでなく、自らの資産形成を考えておいたほうが良い事例があり
  2. 将来の相続時に争いが予測される場合、贈与は特別受益とみなされ、争いの種が増える場合もあり
  3. 特に未成年者への贈与は、両親が贈与を受ける子や孫の法定代理人となるので、贈与契約書などの形式要件を、きちんと整えておかないと、贈与でなく名義預金とされる場合もあり
  4. 婚姻期間 20年以上の 2,000万の住宅資金贈与ですが、贈与税は無税でも固定資産税評価額に対し 2%の登録免許税、4%不動産取得税(H30年 3月末までは 3%の軽減税率)がかかります。相続財産額によっては、やらないほうがよかったといえる場合もあり
  5. 死亡前 3年以内の相続人への贈与は、相続時に相続財産とされる
  6. 税対策として自社株の贈与を、経営にタッチしない親族に行いすぎて、相続後に買い取りの問題や経営権の問題が発生
  7. 親や祖父母からの教育資金贈与が、その都度の贈与でも、贈与税は課税されないことを知らずに、1,500万の教育資金贈与をしてしまい後悔している事例
  8. 住宅資金贈与の特例を使い、贈与したが翌年申告し忘れ、結局高い贈与税を支払った事例