贈与と相続、何が違う? 生前からの節税対策

2021年12月06日

相続税の節税のために生前贈与を検討する人は多くいます。

しかし、贈与にも税金がかかるので、相続税を減らせたとしても、贈与税を含めたトータルでの支払い額が増えてしまっては意味がありません。では、相続と贈与にはどのような違いがあるのでしょうか。

相続税と贈与税の『基礎控除額』の違い

例えば子供が家を購入する際に父親が資金援助をしたり、孫の大学の学費を祖母が援助したりなど、対価を得ずに無償で誰かに財産を譲り渡すことを『贈与』といいます。このように、個人から財産を譲り受けたときにかかる税金が、贈与税です。一方、財産を譲るには相続という方法もあります。相続と贈与のどちらの節税効果が高いかについては、ケースにもよりますが、両者を比較するうえで、まず押さえておきたいのが『基礎控除の額』です。

贈与税の場合、暦年贈与の基礎控除額は毎年110 万円であるのに対し、

相続税の基礎控除額は【3,000 万円+(法定相続人の数×600 万円)】と、かなり高額な基礎控除となっています。

贈与をうまく活用すれば贈与税・相続税を節税できる

これを踏まえると、財産総額が相続税の基礎控除額よりも大きい、つまり万が一の際相続税が課税される場合は、生前贈与として毎年110 万円以下の金額を贈与し続ければ、贈与税がかかることなく、相続税の対象となる相続財産を減らすことができるといえます。なお、贈与税には、父母や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合に一定額が非課税になる制度など、さまざまな特例措置が設けられています。110 万円を超えるまとまった金額を贈与したい場合でも、こうした制度を利用すれば、非課税で贈与することが可能です。贈与は、うまく活用すれば贈与税と相続税の両方の節約にも使えます。相続対策のためにも、税金のシミュレーションをしておきましょう。

2021年度の税制改正では、「資産移転を公平にすべき」という観点から「相続税と贈与税の一体化」の可能性を示唆していました。さて、2022年税制改正の内容について、この12月に税制改正大綱が発表され、相続税・贈与税の一体課税は延期となり、いまだ可能性の粋を出ませんが将来の改正内容によっては、生前贈与による節税効果は大きく損なわれることになるでしょう。ただし、実際に改正法が始まるまでには猶予が設けられる可能性もあります。いずれにしても、早めの対策を行うことが重要です。

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