株式の相続方法(上場株式の場合)
故人が財産として株式を持っていた場合、基本的には現金化したものではなく、株式の状態で相続することになります。
つまり、被相続人の証券会社の口座から、相続人の証券会社の口座へ、株式の移管をすることになります。
この際、MRFなどがあれば、それもあわせて引き継ぐことになります。
株式の銘柄だけなら、他の証券会社でも受け取ることは可能ですが、MRFがある場合などは、同じ証券会社でないと移管できないため、確認が必要です。
相続人が証券口座を持っていない場合は、株式を受け取るための口座開設を行いましょう。
信託銀行の特別口座について
上場株式の株券はすでに廃止されていますが、以前株券として発行されていて、電子化されていないもの(いわゆるタンス株)が相続財産として存在しているケースがあります。
これは、決して珍しいことではなく、割とよくあります。
電子化されなかったタンス株は、株主名簿管理人である信託銀行の特別口座で管理されています。
(自分で確定申告する必要がない「特定口座」と間違えやすいので注意してください)
株式の銘柄ごとに管理している信託銀行は異なります。
インターネットでも調べられるので、銘柄ごとに確認してみましょう。
また、残高証明書を取得する際に、証券会社だけでなく、信託銀行にも発行を依頼し、特別口座に株式が残っていないか確認しましょう。
この際、未収配当金についても併せて残高証明書を取りましょう。
株式の分割方法について
株式の分割方法には、以下のものがあります。(例:相続人が子供2人で、兄・弟が2分の1ずつ相続する場合)
①株式そのものを分割して、各相続人が相続する。(現物分割)
たとえば、100株ある株式について、50株は兄、50株は弟といった分割方法です。
【メリット】株式を移管するまでが相続で、売却はそれぞれが自分の好きなタイミングで行うことができる。
【デメリット】相続人がそれぞれ証券会社の受取口座を開設する必要がある。
②代表相続人が株式を相続し、代償金を他の相続人に支払う。(代償分割)
死亡日現在1株1万円の株式が100株あった場合、兄が代表で100株相続する代わりに、弟に50万円を支払うといった分割方法です。
【メリット】代表相続人のみ証券会社の口座を開設すればいい。
【デメリット】株価の変動により、不公平感がある。
③代表相続人が株式を相続し、その後売却して現金化したものを他の相続人に支払う。(換価分割)
兄が100株相続し、好きなタイミングで売却(たとえば1株5万円)します。その後、弟へ250万円支払うといった分割方法です。
【メリット】代表相続人のみ証券会社の口座を開設すればいい。
【デメリット】売却のタイミングを自分で決める必要がある。
株式を相続する場合の注意点
株式の相続の場合、預金と異なり、価額が変動する点に注意が必要です。
財産目録はあくまで死亡日を基準として作成するため、それをもとに代償金の額を決めてしまうと、受け取る価額が不公平となる場合があります。
メリット、デメリットを考慮した上で、相続人間でよく話し合って決めましょう。
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