相続税申告 ~ 契約者変更された生命保険

2016年05月08日

たとえば「契約者(保険料負担者):親」「被保険者:子」「死亡保険金受取人:親」「満期保険金受取人:親」という契約形態の養老保険(貯蓄保険)、すなわち子の名前を借りて貯蓄保険を親がかけたようなケースですが、親の死亡時に、その時の解約返戻金が相続財産として課税の対象となります。

しかし、現状では死亡後に契約者変更しても、税務署に連絡が入らないので、税務調査で見つからない限り、申告漏れがすぐには把握されません。

また、生前に契約者変更をしてしまっても同様で、亡くなった時に親が支払っていた保険料に見合う解約返戻金は本来相続財産となりますが、同様に税務署は把握していませんでした。このケースでは死亡時、契約者が子供、死亡受取人・満期保険受取人も子になっているので、税務調査でも見つからない可能性がありました。

以前より税務当局はこのことを問題とみており、昨年の税制改正にて、平成 30年 1月から契約者変更の資料箋を契約者変更の場合も保険会社が支払調書を発行し、税務署に連絡が入ることとなりました。

被保険者が子など、亡くなった人以外の保険は、解約しなければ終わらずに継続するわけですが、相続税申告の際に漏れてしまうリスクが高いので、今後はますます注意が必要です。