本来、法定相続人数に応じた基礎控除額を超える相続財産がある場合、相続税申告をしないといけません。以前、ご兄弟が相続人で弟さんが相談に来られました。聞くところによると、明らかに相続税申告対象にもかかわらず、兄は申告しないと言っているとの事。
「申告しないとどうなりますか?」 脱税となりますので、税務署に見つかれば罰せられますし、無申告加算税、延滞税、場合によっては重加算税などもかかってきますと回答しました。「私としては、税金も税理士に支払う諸経費も全て自分で負担するので、申告をするように、兄に話してみます」と言われ、帰られましたがその後相談には来られなかったので、はたしてどうなったのやら。
その相談時も少し話しましたが、実はもうひとつ対策があります。できうれば、そうしてほしくない対策です。兄は申告しないと言っているので、弟のみで捺印し相続税申告をするという方法です。当協会でも過去にありました。
相続人の一部の方だけが相続税申告書を提出したり、相続人同士で意思疎通が悪く、それぞれが相続税申告書を別々に提出するという場合です。さて、このような場合、その後どうなるのでしょうか?
はっきり言えることは、税務調査が行われる可能性が非常に高いということです。申告していない、あるいは申告していても相続人それぞれの申告額が違っていたりするので、脱税として罰せられたり、追徴税額が発生したりします。