相続税を試算するときには、誰しも相続税の非課税限度額(税法では基礎控除と呼びます)がいくらか気になるものです。財産額がいくらまでなら相続税がかかってこないかという金額です。基礎控除の金額は、一律で決まっているのではなく、相続が開始するごとに計算します。今回は、相続税の基礎控除についてご説明します。
相続税の基礎控除は法定相続人の数で異なる
相続税の基礎控除の計算式は、以下のとおりです。
3,000万円 + (600万円×法定相続人の数)
基礎控除の金額は2013年の税制改正により、2015年1月1日以後の相続から4割減額されました。今後も法改正によって基礎控除の金額が変更されることがあるため、試算をする際には、最新の情報を得るようにしましょう。
それでは、基礎控除の計算を具体例に沿って確認してみましょう。前述した計算式のなかで問題になるのは、『法定相続人の数』です。たとえば、ある男性が亡くなったときに配偶者が妊娠中だった場合、お腹の中の胎児も相続人となります。しかし万が一、相続税の申告期限までに出生しない見込みの場合は、胎児がいないものとして相続税を申告し、出生した後に、出生日の翌日から4カ月以内に、修正申告または更正の手続きを行います。
相続人の家族構成で変わる基礎控除の事例を紹介
もう一つの事例としてたとえば、両親と子ども2人の4人家族で、父親が亡くなった場合では、相続人は母親と子ども2人の計3人です。したがって、基礎控除の金額は、以下の通りです。
3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円
では、両親と子ども2人の4人家族で、孫1人を養子とし、父親が亡くなった場合はどうでしょうか。法定相続人は母親と子ども2人、孫兼養子1人の計4人です。基礎控除の金額は、3,000万円+(600万円×4人)=5,400万円となります。ただし、被相続人より先に相続人が亡くなっている場合の、相続人の子が相続する代襲相続以外で、養子である孫が法定相続人になるときには、孫の相続税の納税額が2割加算となるため税額の計算に注意してください。
相続税がかかるのか掛からないのか、またかかるとしたらどのくらいの税額なのかを事前に把握しておくだけでもご家族は安心できるのではないでしょうか。
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