相続手続上、法定相続人を確定するための戸籍取得作業

2019年08月26日

  • 相続人の確定からはじまる

遺産分割協議に入る前に欠かせいなのが、相続人を確定するための戸籍調査です。確定するには少なくとも被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍、除籍、改製原戸籍の謄本が必要です。戸籍は、本籍地のある役所で請求します。車の手続きや年金の手続きなどは戸籍の原本が必要となります。基本的にはすべて相続人の戸籍、被相続人の出生から死亡までの戸籍一式意を揃えれば、銀行や登記の手続きが可能となります。

 

 

  • 除籍、改製原戸籍とは

戸籍は、夫婦と未婚の子どもを単位に編製されています。除籍とは、戸籍に記載されている人が死亡した場合や結婚した際に戸籍から抜けると、名前が✕で消されることを言います。そして、全員が除籍されたり本籍地が移されたり(転籍)すると、その戸籍は除籍という呼び名に変わります。除籍謄本というのは、この除籍の写しのことです。また、戸籍はこれまで何度か作り替えされており、改製前の戸籍を改製原戸籍といいます。近年では昭和32年の改製前の昭和改製原戸籍と、平成6年のコンピュータ化前の平成改製原戸籍があります。

 

 

  • 死亡から出生までさかのぼる

調査は被相続人の最後の本籍地で戸籍謄本を取ることから始めます。そして、そこに記載された情報をもとに従前の戸籍または除籍、あるいは改製原戸籍の謄本を取ります。この作業を繰り返して、出生まで地道にさかのぼっていきます。婚姻や転籍、改製などによって新しい戸籍が編製されるときに除籍された構成員は省かれます。そのため、途切れなく追跡を行わないと、正確な相続人を把握することができません。謄本をとれるのが原則としてその戸籍の構成員や直系親族などで、代理人の場合は委任状が必要となります。

 

 

  • 戸籍がない場合

まれに、戸籍がない場合があります。戦争で役所が燃えてしまった場合などが、戸籍のない代表例です。関東大震災、阪神大震災、東日本大震災の場合も同様です。その他には、戸籍の保存期間切れがあります。このような場合には、「戸籍(除籍)謄本が交付できない旨の市町村長の証明書」を出してくれます。