相続手続の前に、遺言の有無を必ず調べてください!

2022年01月11日

遺言をどのように探せばよいのか

被相続人が遺言を残してはいるものの、遺言を作成したことや、その保管場所などについて、事前に誰も聞いていないケースがあります。遺言があるかどうか知らされていない場合でも、「遺言が残されている」ということは考えられますので、そのような場合は、まず、被相続人が大切なものを保管していそうな場所を探してみると良いでしょう。なかには、被相続人が貸金庫の契約をしていた場合、貸金庫内に遺言が保管されていたといった場合もあります。

また、公正証書遺言の形式で遺言が残されている場合は、作成をした公証役場に原本が保管されています。
相続人であれば、最寄りの公証役場で遺言の有無を検索することができますので、念のため調査しておきましょう。
遺言検索を行う場合には、遺言を残した人が亡くなったことを確認できる除籍謄本と、検索をする人が相続人であることを確認できる戸籍謄本などが必要になりますので、事前に必要な資料を調べておくと良いでしょう。

加えて、法務局における自筆証書遺言の保管制度もあります。こちらは法務局で調べることができるので、自筆証書遺言がある可能性も覚えておきましょう。

遺言書が見つかったらどうする?

まず、公正証書遺言以外の形式の遺言(自筆証書遺言など)は、その遺言を保管していた人や発見した相続人が、家庭裁判所に遺言書を提出し、検認の手続をしなければなりません。
検認とは、相続人に対し遺言の存在・内容を知らせるとともに、検認の時点における遺言書の形状・状態、記載内容を確認・記録するための手続です。検認手続が終了すると検認済みの証明書が出され、その遺言に基づく相続の手続を行うことができるようになります。

一方、公正証書遺言の場合は、この検認の手続が不要になります。
なお、前述の法務局における自筆証書遺言の保管制度を利用した場合は、自筆証書遺言であっても検認が不要になっています。この場合、相続手続を行うための証明書は法務局が発行してくれます。

 

「もしかしたら遺言書があるかもしれない」「生前、遺言書を書いたと聞いていた」という場合には一度調べてみてください。