相続人がいないとき、遺産はどうなるか?

2019年09月24日

特別縁故者がもらえることもある

 

通常、被相続人の財産は民法で定められた範囲の相続人が引き継ぐことになっていますが、必ずしも法定相続人がいるとは限りません。相続人が誰もいない場合やいるかどうかはっきりしない場合があると思います。このような状態を相続人不在といいます。

行き場のなくなった財産は最終的には国のものとなりますが、その前に特別縁故者に分けられる場合もあります。

 

特別縁故者とは、亡くなった人との間に特別な繋がりがあった者のことです。

 

具体的には…

 

①被相続人と生計を共にしていた者

(例:内縁の妻、事実上の養親子関係にある者)

 

②被相続人の療養看護を行っていた者

(看護師や家政婦への報酬以上の療養看護を尽くしていた場合)

 

③その他の被相続人と特別の縁故があった者

(被相続人から頻繁に援助を受けていたなど、生前に密な交流が続いていた者)

 

上記が特別縁故者と認められる要件となりますが、認められるかは個々のケースによって判断が難しいかもしれません。注意点としては、特別縁故者に対する財産分与は家庭裁判所の裁量に委ねられることです。つまり、家庭裁判所が特別縁故者には当たらないと判断を下した場合は、遺産は取得できないことになります。また、相続人捜索公告の期間満了後の三ヶ月以内に申告手続きをしなければ、特別縁故者として財産分与請求をすることができなくなってしまうことにも注意が必要です。