相談者様からもたまに質問を受ける場合がありますが、「特別受益」は通常の相続ではほとんどでてくることはありません。では、どういうときにでてくるのかと言いますと、相続人で遺産分けに対して不満があり、争うような場合です。
例えば、兄弟 2人が相続人の場合に、遺産を半分ずつ分けたとします。半分ずつなので、一見不公平感はなさそうですが、そうはいかないケースもあります。
「兄は、留学資金も出してもらっていたし、家も買ってもらったじゃないか。」などと、生前のお金のやりとりに不満を持っている場合などです。この場合の、生前にもらった財産のことを「特別受益」と言います。そして、この特別受益を受けた人を「特別受益者」と言います。
民法では、特別受益者に対してはすでに得た利益に相当する相続分が減るように、以下のように相続分の算定について定めています。
被相続人の相続時の財産 + 特別受益額 = みなし相続財産
みなし相続財産 × 本来の相続分 - 特別受益額 = 各人の具体的相続分
- 対象となり得る贈与財産等
- 結婚時の持参金、嫁入り道具等
- 親から独立するときにもらった、土地、建物
- 他の相続人とは違う海外留学など高等教育の学費
などがあげられます。
特別受益かどうか、白黒はっきり金額を決められる場合は少ないので、争うと裁判になってしまう場合が多いのではと思います