相談者 Aさんのお話です。
Aさんは、生前に父親からもしものことがあった時は、亡くなったことを伝えてほしい人のリストを託されていました。お父様が亡くなられ、葬儀の会葬挨拶状を送ったところ、大阪から「線香をあげたい」と見覚えのない人がやってきたといいます。
会って話を聞くと、父の子だと告げられたそうです。ずいぶん前に父が大阪で暮らしていたことは聞いていましたが、結婚して子どもまでいたとは知らなかったとのことです。
本ケースでは、この人は相続権のある子になりますので、遺産分割協議に参加してもらわなくてはなりません。いままで一度も面識のない人ですし、先妻の子という複雑な立場ですから分割協議は大変難航しました。最終的には、両者が歩みよっていただけたため、無事に手続きを完了することができました。
このような場合、相続発生後にいち早く戸籍を取得して、先に相続人を把握しておけば、落ち着いて話し合いがもてたかもしれないと感じた事例でした。