相続人に障がい者がいる場合、その相続人に判断能力・意思能力があれば、通常の相続手続と何ら変わりません。ただし、医師の診断で知的障がい者とされ、判断能力・意思能力がないとされている場合、特別な手続きが必要となります。
判断能力のない知的障がい者は代理人(後見人)を立てる必要
判断能力がないと、その相続人は遺産分割協議に参加できないので家庭裁判所に法定後見の申し立て手続きを行い、代理人(後見人を選任してもらう必要があります。ただ、申立人が選任した後見人候補がそのまま選任されるとは限らず、争いの可能性や財産内容、財産額などによっては、家庭裁判所に登録している弁護士や司法書士などの士業専門家が後見人に指定されてくる場合があります。また、当初申立てした後見人候補が後見人として認められたとしても、後見監督人(弁護士、司法書士など)を家庭裁判所がつけてくる可能性は高いと言えます。専門職がついてくると、毎月の報酬も発生いたします。
障がい者が相続人の場合、【遺言書の作成】が必須
手間と費用のかかる後見手続きを回避するには、元気なうちに公正証書遺言を作成しておくのがよいでしょう。そうすると、相続時に相続人間での遺産分割協議の必要がなくなるので、後見手続きをする必要もなくなります。また、後見人が付いた場合のデメリットとして、後見人が入るので財産を分割したいように分けれないという問題が発生しますが、遺言書(公正証書遺言)を作成しておけばこの問題もクリアーできることになるので、このようなケースに該当される方は必ず遺言書をご準備ください。