『法定相続分』って何? 相続人の範囲と計算方法

2022年05月23日

相続人の範囲や、それぞれの相続人が相続できる財産の割合は、民法によって定められています。遺言書もなく、相続人間で特に取り決めが行われなかった場合は、 法定相続分に準じて相続の手続きを進めます。今回は、相続割合について解説します。

民法が定める『法定相続分』それぞれが相続できる割合は?

相続人の範囲や法定相続分は、民法で定められています。ただし、相続人の同意があれば、法定相続分とは違う分け方も可能です。基本的には相続人全員で遺産分割協議を行い、取り決めた内容で相続手続きを進めることができます。遺言書がある場合は、遺言書の内容が優先されます。法定相続割合はあくまで遺言書が無い場合や、遺産分割協議が行われなかった、まとまらなかった場合に、各相続人の取り分として法律上定められた割合をいいます。 民法が定める法定相続の割合は次のとおりです。
●配偶者と子供が相続人である場合
配偶者が1/2、子供が1/2(子供が2名以上いる場合は、この2分の1をさらに子供の数で等分)
●配偶者と直系尊属(父母や祖父母)が相続人で ある場合
配偶者が2/3、親等の一番近い直系尊属が1/3(複数いる場合は、その1/3を等分で)
●配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合
配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4(複数いる場合は、その1/4を等分で)

遺留分によって明らかな不公平を防ぐ

遺産相続は時として、親族等の間に争いを生むこともあります。たとえば、被相続人が遺言書で「長男に遺産を全て渡したい」とか、「愛人に遺産の全てを渡す」といった意向を示しているケースです。その遺言書通りにしたら、配偶者や子供たちにとっては、納得のいかない理不尽なことになってしまう可能性があります。
こうした理不尽を防ぐため、配偶者や子供たちなど兄弟姉妹以外の法定相続人については、最低限度、受け取れる財産の割合が『遺留分』として保証されています。万が一、遺留分を侵害された場合、相続人は、『遺留分侵害額請求権』を根拠に遺留分を請求することが可能となっています。
また、相続財産に対する遺留分の割合は、さきほどの法定相続の割合×2分の1と定められています。これにより、遺族の生活を一定の範囲で守ることができるのです。ただし、遺留分侵害額請求権は、相続開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年、もしくは相続開始の時から10年を経過すると時効で消滅するため注意が必要です。

 

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