相続放棄は、相続後3か月を過ぎてもできるって本当?

2017年10月25日

「相続財産をもらうのはいいけど、借金は相続したくない」と誰もが考えます。また、亡くなった時点では分からないけど、将来的に借金が判明すると怖いといった心配もあります。

相続するプラスの財産より借金の方が多い場合、家庭裁判所で『相続放棄』という手続をとることができます。割と一般的に知られている相続放棄ですが、「3か月」という期限はどの時点から発生するのでしょうか?

答えは、「自分が相続人になったことを知った日」からです。亡くなってから3か月を過ぎていても、しばらくの間、亡くなった事実を知らなかった場合、知ってから3か月以内であれば相続放棄できる可能性があります。

3か月以内に相続放棄の手続をしなければ、単純承認した(つまり、借金も含めて相続した)ことになります。

相続財産の一部をすでに処分してしまっている場合は、相続したとみなされ、相続放棄ができなくなってしまうので、注意が必要です。

相続放棄は、自分一人だけで決めることができます。限定承認(相続財産の範囲内でのみ借金も相続する方法)は相続人全員の同意が必要ですが、相続放棄は一人だけでもできます。ただし、自分が放棄した場合、他の相続人に相続権が移るケースがあります。

例えば、父が亡くなり(母はもっと以前に他界)、子が一人のケースで考えてみます。相続人は子のみですが、子が相続放棄した場合、次の相続順位は父の尊属(父の両親)になります。父の両親がすでに亡くなっている場合、第三順位として父の兄弟姉妹に相続権が移行します。新たな相続人に事情を説明するなどの配慮が必要です。