10年前の未分割財産の相続手続き

2015年08月12日

先日、10年前に亡くなられた父の相続財産であった株式の相続手続きについて相談を受けました。

父の死後、長男も続いて死亡されたため、相続手続きが放置されていたようです。相談者の長女が上場株 5社の配当金明細を持参されたので、現在の時価での概算財産額を計算し、他にも財産がないかお聞きしました。株式は、信託銀行からの配当通知や株主総会招集の案内が定期的に送付されるために父の財産として把握されていました。しかし、預金などはまったくわからないとのことでした。

長女にお聞きしたところ、父が亡くなった際は、遺産分割協議書などへの署名・押印は一切していないということで、不動産含めすべての財産が未分割の状態と推定されることを説明しました。

父の大事な書類等が、ダンボールに入っているが、中身を見たことがないとのことで、結局不動産や預貯金通帳などがダンボールの中に財産明細がないかを調べ、それらしきものを持参するよう依頼し再度、来社いただくことになりました。(書類がよくわからない様子なので、判別がつかなければダンボールごと持ってきてもらえれば、こちらで整理とも話しました。)

さて、財産として何が出てくるやら? 以前も同じような相談を何度か受け、相続手続きをしたことがあります。ネックは相続時の残高と後日手続き時の残高が、キャッシュカードなどで引き出していると相違していたりすること、また相続人の死亡により意思疎通のない代襲相続人の増加などの問題がありました。