自筆遺言の検認手続きをしたから、法的に有効になるわけでない!

2015年06月01日

自筆遺言は、開封する前に家庭裁判所に申請し、検認手続きをしないと有効な遺言となりません。検認手続きの前に勝手に開封してしまうと、遺言書が無効になることはないのですが、5万以下の過料に処せられます。(刑罰の罰金でなく、行政罰)

さて、家庭裁判所で検認を受けた自筆遺言書は法的に有効ということでしょうか? 家庭裁判所は検認手続きにて有効かどうかを判断するわけではありません。検認手続きは、自筆遺言を相続人の前で開封して確認する作業をするだけです。その遺言書の内容が、法的に有効かどうかを最終的に判断するのは不動産を名義変更する場合の法務局や預金の解約手続きをする場合の金融機関です。

金融機関は、自筆遺言の場合、遺言書の中で遺言執行者が指定されてないと、解約手続きを行えない場合がほとんどです。遺言執行者が指定されていなかった場合、自筆遺言の検認後でも家庭裁判所に申請し、遺言執行者を指定することは可能ですが、手間がかかります。

遺言が法的に有効か無効かの争い、遺言執行者の申請などの手間等、後々おこりえる問題を考えると、公正証書遺言の作成がベターです。