相続放棄 〜 少しでも相続財産を受け取った場合は無効!

2014年08月09日

相続の仕事をしていると、平日より土日休みにご相談を受けることが多いのですが、本日は相続放棄の相談が重なりました。

相続放棄は借金がある場合などに、被相続人が亡くなった日から(相続の開始があったことを知った時から)3か月以内に、一切の財産、負債を引き継がないために、家庭裁判所に相続放棄の申請をすることです。亡くなった方の住所地の家庭裁判所に、相続人それぞれが行います。

相続放棄と、相続人間での遺産分割協議書で何も財産をもらわないで署名捺印する行為をごっちゃにされている方が意外に多いのですが、別の法律行為です

さて、相続放棄で見落としがちな注意点があります。本日の相談の事例もそうなのですが、相続財産の一部もしくは全部を相続人が処分した場合、相続放棄が法律上認められなくなります。わかりやすく言えば相続財産を使ってしまった場合です。

亡くなった方の預金を引き出し使ってしまったとか、孤独死をされた方の残されたわずかな現金を警察から預かり、使ってしまった場合などです。後日債権者などから、訴訟を受けると、相続放棄が認められなくなり、債務を返済しないといけなくなる場合があるので、充分注意しておきましょう。

なお、被相続人の相続財産による債務の弁済は、通常、相続財産の処分にはあたらないと解され、葬儀費用や生前の医療費の支払いなども同様に考えられています。いづれにしても、相続放棄については専門家によく相談しながら進めてください。