相続後の相談 ③ 金融資産運用 ~ 単品投資

2015年07月02日

相続後、しばらくたってから金融資産運用について相談を受ける場合があります。相談に来られた方に、金融資産明細など見せていただくと、最近ですと毎月分配型の海外株式・新興国債券の投資信託、リートなどを金融機関から進められ、単品で購入されている場合が多いように思います。これらの商品自体は、それぞれ特徴もあり、良い点もあります。

問題だと思うのは、購入した商品内容についてよく理解されていなかったり、リスクを軽くするための分散投資をしていなかったりする(値動きが違う株と債券の投信を一緒に買うとか、日本だけでなく、米国・欧州・アジアの株や債券の投信での分散、通貨分散など)ケースです。

そして、すすめられるままに単品商品の投資をして、基準価額が下がるという、やけどをし相談に来られる場合もあります。欧米では小さいころからマネー教育の中で長期分散投資の重要性が説明されています。すなわち、株式などのリスク資産は長期で保有することにより、一般的にリスクも軽減される、さらには値動きの違う商品を分散することにより、リスクも軽減されるという内容です。

長期分散投資のことを理解していれば、余裕資金で長期投資をする場合、毎月分配型投信を買うことはないわけです。なぜなら、毎月分配型の投信は、分配金を受け取るごとに2割の税を差し引かれ、その分が運用できないので長期の運用面ではデメリットとなるからです。

欧米で、昔から実践されている長期分散投資をすることで、「お金を増やす」だけでなく「お金を守る」という視点も併せて考えてみてはいかがでしょうか。