義父の介護をしていた嫁は、遺産をもらえないの?

2013年11月05日

先日、こんなご相談がありました。

依頼者の Aさんには、90才近くのお父様がいますが、10年ほど前から、少ししゃべることはできるのですが、ほとんど寝たきりの状態になっているとのことでした。身の回りの世話はAさんのお嫁さんがずっとしていますが、介護にかかる心身への負担は相当なもので、お嫁さん自身が体調を崩すこともあったとのことでした。

最近、長年介護をした人に対して相続時に一定の財産分けを認める「寄与分」というものがあることを知り、お嫁さんにも遺産を分けられるのではないかと考えて当協会へご相談に来られました。

しかし、残念ながらこの寄与分は相続人に対してのみ認められているもので、相続人ではない Aさんのお嫁さんには適用はされません。そこで、まだお父さんは意思能力がおありのようなので、お嫁さんを養子にして相続人となってもらうか、もしくはお嫁さんへ財産の一部を渡すという遺言を書いてもらうとよいと助言いたしました。

なお、寄与分の認定には、相続人であるというだけでなく、被相続人の財産の維持や増加に特別に寄与したことなどの条件もあり、相続人が介護をしたからといって、すべて認められるわけではありません。認定を受けるには、現実には難しい点も多々あるという点に注意が必要です。